今ありきでゴールを設定するのと、ゴールありきで今を変えるのは全然違うという話

前々回「ヴォラーレSEOやめるってよ(嘘)」という記事を、当社コンサルティング事業部メンバーを奮い立たせる目的もあって書いたのだが、交流会などで「ヴォラーレSEOやめるらしいですね!!」と言われたメンバーがいるらしく、世の中なかなか思うようには行かないなぁと思うばかりである。

ところで、
ビジネスにおける「バカ」のポジティブ変換は「素直」ではなく「天才」だ

という記事が周囲でバズっていて、この記事に関連して当社D居がこんな記事を書いていた。
「拒絶」と「反論」は似ているようで全く違うという話

経営者の無茶ぶりに対して、「阿呆か」と思うか「こいつ天才かも」と思うか。
部下が経営者をどう捉えるか、脳みそを振り絞り経営者の無茶ぶりの実現のために動くか否かが、企業の成功を分けることもある。

ビジネスには自分の見えてない色々な側面があるものなのだから、無茶ぶりされたとしてもまずは一旦飲み込んで、実現できる方向で考えた上であれこれ意見出してみたほうがいいじゃん、という話である。

この2つの記事、全くもってその通りだなと思うのだが、数々の無茶ぶり(と思われること)をしてきた経営者として思う所があったので記事にしてみたいと思う。

今ありきでゴールを設定していると予定調和の未来しか訪れない

私は「ゴールありきで今を変えていくべき」という思想を強く持っている。
会社を始めた時は「金無し(資本金300万円はあったけど)物無し人材無し」のナイナイ尽くしの状態から始まった。しかし当時何もない中でも、「日本を代表する企業を作る」という高い目標を掲げ、それを達成する方法を必死で考え、幾度の失敗を重ねながらも少しずつ前進してきた。

Volareの場合、幾度のPivotを重ねて、SEOサービスに注力することで事業としては成長させることが出来たのだが、この「SEOに注力する」という決断を下した時には社内的にも多くの反対があった。

今扱っている商材だけでもそれなりに売上を立てられているではないか、SEOへのノウハウも中途半端な状態で参入しても先行企業がある以上事業として成立しないのではないか、など色んな意見があったわけだが私はこれを断行した。

もちろん私もSEOに注力すべき様々な理由を持っていたが、一番大きな理由は、「死なないために会社をやってるわけじゃない」ということであった。

10数人でやっていくだけなら今の事業でも可能かもしれない。しかし、会社として利益を出し、新しいことに投資をし、日本を代表するような企業を作っていくためには、それまでの延長線でビジネスをやっていてもダメだという確信があったのだ(もちろんSEOだけでそういう企業が作れるとも思ってないけど)。

何が言いたいかというと、起業家は(少なくても私は)最初何も持っていないのだ。
最初に持っているのは目標とか夢とか言われるものだけしかなかった。

である以上、今ありきでゴールを見据えても何の意味もない。
今の積み重ねで予想可能な未来なんてつまらない。

ゴールありきで今何をすべきかを考えていくべきなのだ。
私にとっては、そういう選択の繰り返しの結果として今があるだけなので、ゴール達成のために今に固執しその延長で考えるというのは滑稽な話でしかない。

「今これで一定の成果を挙げているのだから」というのは今を変えない根拠に値しない。
なぜなら今を変えることで、目標とする未来にもっと早く辿り着ける可能性が常にあるからだ。

人生は短い。私は今28歳だが、仮に経営者として60歳になるまで一線に立てるとしても、あと30年ちょっとしかない。事業をやってみると分かるが、30年というのはあっという間だ。一つの事業を立ち上げ、ある程度軌道に乗せるまでには3〜5年はかかるからだ。

もっと早く。もっと強く。もっとすごいものを。
そういう衝動を大切に、今を変えるのが当たり前という感覚でいないと、目標が大きければ大きいほど達成は困難になる。Volareが、SEO事業が収益化できた時すぐさま新規事業「Appliv」にとりかかったのも、目標とする未来に早く辿り着くために他ならない。

実現を信じるのが良き幹部なら、実現を信じさせるのが良き経営者だと思う

とはいえ、全員が全員経営者とか起業家の視点を持っているべきというのはいささか乱暴だ。
経営者としては、冒頭に挙げたブログのような姿勢で取り組んでくれるメンバーは多ければ多いほど良いが、全員がそうなるというのは現実的に考えて不可能に近い。

私は経営者の重要な仕事の一つに「実現を信じさせること」があると思っている。
企業、特にベンチャーというものは不確実な未来を実現しようと進んでいくものだ。
その目標が大きかろうと小さかろうと、実現可能性が高かろうと低かろうと、組織のメンバーから「無理っしょ」と思われてしまったら、もはやその実現は不可能になる。

だからあの手この手を使い、時にはプレゼンで時には対面で、目標が実現した未来やどうやって実現するのかを説き、全員とは言わずとも少しでも多くのメンバーに「こいつの話、本当に実現するかもしれない」と信じてもらうことがとても大切だ。

経営者は遠大な目標を掲げその実現を信じさせようと努力し、幹部は経営者の掲げる目標の実現を信じようと努力する。メンバーの中からも幹部同様に考え実現のための手立てを考えるヤツが続々出てくる。そういう組織はとても強い。

Volareがそう在るよう、私も努力していこうと思う。

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